技術に真摯に向き合い、成長を続けるエンジニアの軌跡

イントロダクション
Vareal株式会社で活躍するエンジニアのリアルな声をお届けするインタビュー企画。今回は、大学院での研究を経て、一度は別領域のエンジニアとしてキャリアをスタートしながらも、自身の理想とするエンジニア像を追い求め、Varealにジョインしたエンジニアに話を聞きました。技術への強い探求心と、変化を恐れずに挑戦する姿勢。リモートワークという新しい働き方の中で、どのように成長し、チームと連携しているのか。これまでのキャリア、Varealでの経験、そして今後の展望について、じっくりと語っていただきました。
エンジニアへの道と学究の日々
まずは、エンジニアを目指そうと思われたのはいつ頃でしたか?興味を持たれたきっかけがあれば教えてください。
そうですね。元々大学の専攻がいわゆる情報学という分野でしたので、周りの人もそうでしたが、基本的にはシステムエンジニアを目指す人が多く、最初は流れでというところでした。
大学が情報系の学部だったとのことですが、それはエンジニアに興味があって進まれたのでしょうか?
はい、そうです。当時はどちらかというと少し特殊で、私の所属していた学部は元々物理学科でした。いわゆる物理科学の物理でしたが、途中で専攻が情報科学と物理のコースに分かれる形になり、物理と情報科学を比較した際に、情報科学の方が少し数学的で面白そうだと感じ、そちらに進みました。当時はまだ、職業に直接結びつくという強いモチベーションで選んだわけではありませんでした。
なるほど。大学時代には、情報学に関してどのようなことを学ばれていたのですか?
情報学の基礎として、ネットワークの話やデータベースの話を学びました。また、アルゴリズムの研究室が盛んでした。
なるほど。大学時代はどのような学生生活を送られていましたか?勉強に励んでいたのか、アルバイトに精を出していたのかなど、教えていただけますでしょうか。
アルバイトは塾講師をしていました。しかし、基本的には研究室と自宅の往復で、授業が難しかったため、授業の復習に時間を費やしていました。サークルにも所属していなかったので、比較的落ち着いて自分の好きなことを勉強する生活でした。
大学を卒業後、大学院に進学されたと思いますが、大学院に進みたいと思った理由やきっかけは何かありましたか?
はい。継続して行っていた研究をもう少し面白いところまで進められるのではないかと感じていたことが主な理由です。また、声をかけていただいたということもありました。研究テーマは牛の体重を測るというもので、非常に地味なのですが、牛の周りに16台ほどのカメラを設置し、様々な方向から牛の画像を撮影します。その画像から牛のシルエットを抜き出し、3D空間上に用意した箱に、各カメラからのシルエットを消していくことで、大まかな3Dモデルのようなものが出来上がります。シェイプフロムシルエットという手法で、それを用いて牛のモデルを作成し、体重を推定するという研究を行っていました。長く続けていた研究でしたので、もう少し深く関わりたいという思いがありました。
福岡での就職と1社目の経験
なるほど。大学院を修了後、1社目の会社に入社されたという流れになると思いますが、エンジニアとして就職活動をする上で、軸として考えていたことはありましたか?
そうですね。当時は自分の専攻を活かしたいという気持ちが強く、エンジニアの職種を強く希望していました。他の業界に対して特に強いモチベーションがなかったということもあります。もし専攻と異なる分野に進むとしても、その動機をうまく説明できない状態でした。また、大学院修了直前には、IT系の資格である基本情報技術者試験や応用情報技術者試験を取得しており、IT業界で働いていこうと決めていたため、その考えは変わりませんでした。もう一つの大きな軸として、大学生活から福岡で過ごしていたこともあり、福岡という場所が好きになっていたので、福岡で働き続けられる企業があれば良いと考えていました。福岡でIT系の企業という点を重視して就職活動を行いました。
福岡でIT系の企業は多いと思いますが、実際に受けられた企業は多かったですか?
そうですね。数社程度だったと思います。特に1社目は志望度が非常に高かったです。通常の採用フローとは異なる手段で、直接電話で連絡を取り、先輩社員の方を紹介していただくなど、積極的にアプローチしました。
その1社に惹かれたのはどのような点でしたか?
専攻を活かせることと、福岡で働けることはもちろんですが、当時のその会社が、話によると高い技術力を持っているということ、そして組み込みシステムといった、私の専攻に近い分野を手掛けていたことに魅力を感じました。C言語やネットワークの深い知識が必要とされる環境に興味があり、それが合致していると感じました。また、会社の規模も気にしていました。規模が大きすぎるとコミュニケーションコストが高くなり、全体像を把握しにくいのではないかという懸念があり、当時200名程度の規模だったその会社に魅力を感じました。
Varealへの転職:理想のエンジニア像を求めて
1社目には約5年ほど在籍されておりましたが、エンジニアとしての経験を積まれた中で、Varealへの転職を考えられたきっかけは何でしたか?
そうですね。少し回答が難しいのですが、実は1社目で、自分が想像していたエンジニアとしての仕事が十分にできていたとは言えませんでした。新卒によくある勘違いは理解して入社したものの、プログラミングをあまりせず、システムエンジニアの上流工程を主として担当する業務が中心でした。承知の上で入社しましたが、実際に業務を行う中で、見積もり段階で自信を持って数値を提示できない、自分で作れないのに見積もりを出さなければならない場面があるなど、業務や技術内容について深く知らないまま対応しなければならない状況に、不安定さを感じていました。また、特定機能についてお客様に説明する際も、情報を集めて対応するものの、自分の中で納得できていない部分があり、このままではいけないという思いがありました。エンジニアである以上、技術に長い時間触れる必要があると考え、転職するならどのような道が良いのか模索しました。
その過程で、Rubyに触れる機会があったのですね。
はい。1社目の案件でRubyに触れる機会があり、Railsというフレームワークの存在を知りました。Web業界では、そうした技術を持つエンジニアの受け入れが盛んであり、前職の業界とは異なり、エンジニアの力で物事が動く世界だと知りました。これは挑戦するなら今しかないと思い、Railsを主要技術としているVarealに話を聞き、挑戦してみようと考えました。
それがVarealへの入社を決める決め手になったのですね。
はい、そうです。
Varealでの成長とリモートワーク
Varealに入社後、様々な案件で多くの方と働かれてきたと思いますが、Varealに入ってからのやりがいや感じたことはありますか?
技術を直接触れる立場にいられることに非常に充実感を感じています。以前は設計がメインでしたが、実際に手を動かして作ってみることで、将来的に設計に戻る際にも自信を持てるようになると思っています。今は基礎をしっかりと積み上げられているという感覚があります。
Varealに入社されてから、リモートワークが中心だと思いますが、チームや社内の方々とのコミュニケーションはどのように取られていますか?
正直に申し上げますと、リモートワークは難しいと感じています。リモートワークが難しいというよりも、対面でのコミュニケーションの強さを再認識しました。同じチームにいる時、隣の人が悩んでいる声が聞こえるだけで進捗状況を気にかけたり、誰かが成功して声を上げるだけで状況を把握できたりといった、雑談ベースのコミュニケーションがリモートワークでは失われてしまいます。そうした中で、自分の進捗に対して責任を持ち、分からないことは積極的に質問するようになりました。恥ずかしいという考えを捨て、積極的にコミュニケーションを取るように意識しています。
意図的にコミュニケーションを取るように心がけているのですね。最近関わられている案件でよく使うツールや言語はありますか?
基本的にRubyとRailsは使用しています。割合は低いですが、React.jsにも少し触れさせていただきました。また、ごく最近ではありますが、AWSとAWS構築のための言語であるTerraformも、一部のタスクで触れる機会がありました。技術要素だけでなく、ChatGPTをラップしたAI機能も利用していますし、CursorやGitHub CopilotといったAIツールも頻繁に利用しています。
新しい技術やツールに触れる際に、意識していることや心がけていることはありますか?
新しいツールなので、最初はできなくて当然という前提を持ちつつも、できるだけ早く概要、特に主要な機能を把握するように意識しています。例えばTerraformであれば、「Terraformとは何か」という基本的な理解から始め、AWSやGCPの画面操作による環境構築との違い、コードによる管理の利点などを把握するように努めます。何ができて、何のためにそれを行うのかという目的を理解しないと、表面的な使い方を間違えてしまう可能性があるため、そこをまず意識します。詳細な使い方については、人に聞いたり、AIに質問したりすることで効率的に学習するようにしています。
Varealに入社してから現在に至るまでで感じる、Varealの良い点や雰囲気について教えてください。
リモートで働いている立場としては、リモートワークをさせてもらえていること自体が非常にありがたいと感じています。リモートワークは、他の社員からすると状況が分かりにくく、管理やコミュニケーションが難しい面があると思いますが、それでも信頼して仕事を任せていただき、社内業務にも携わらせていただき、コミュニケーションを取りながら仕事ができる環境に感謝しています。
フルリモートで入社された方や、これから入社を控えている方にとって、非常に参考になるお話だと思います。今後、どのように人と関わっていくべきか不安に感じている方にとって、示唆に富む内容だったと感じました。
そう言っていただけると幸いです。リモートワークは難しい面もありますが、その中で仕事を任せてもらえることに感謝しています。
今後のキャリアビジョン
今後のキャリアビジョンについて、考えていることはありますか?
現在の私の立ち位置は、ネガティブなスタートに見えるかもしれません。最初に上流工程を経験したにもかかわらず、いわゆる作業工程に立ち戻るようなキャリアを歩んでいるため、もったいないと感じる方もいるかもしれません。しかし、私自身はプログラミングだけをずっと続けたいとは思っていません。様々なプロダクトや社会の課題解決に取り組むためには、いつかは上流工程でコントロールする立場になる必要があると考えています。そのため、直近数年はプログラミングなど、手を動かすことで知識を習得することに注力しますが、将来的には人をコントロールし、導けるようなマネジメント人材になりたいと思っています。Varealは、キャリアプランやビジョンに対して柔軟に対応してくれる会社だと感じています。人数が少ないからこそ、様々な動き方ができるのではないでしょうか。将来的にもし何かやりたいことができたとしても、Varealなら見ていてくれるだろうという安心感があります。将来的には、より上流の工程で様々な案件に携わり、どのようにすれば実現できるかを教え、人を育てていけるような人材になりたいと考えています。
貴重なお話、ありがとうございました。